京都庭園研修会 1日目/かわゆう
先日、日本造園組合連合会の京都への研修旅行にご一緒させて頂きました。
旅行の主旨は京都にある由緒正しい日本庭園数々の見学です。1日目は「修学院離宮」「桂離宮」でした。
修学院離宮は10世紀後半に「修学院」という寺院があったのが始まりです。池泉回遊式と呼ばれる名前の通り中心に大きな池を据えて園内を歩いて回る様式の広大な庭園です。私の所管としては園内の物理的な「高低差」が印象的でした。築山があることで高い位置から庭園の全体を見据えることができます。
頭巻釘(かしらまきくぎ)と替折釘(かいおれくぎ)。私は初めて見る形の釘でした。やはり今では手に入る場所は少なくなっているのだそうで、これを使い続けているのも伝統を守るということなのでしょう。
続いて桂離宮。八条宮智仁親王の別荘として作られたものが始まりです。こちらも修学院離宮と同様の様式の庭園でしたが、こちらは園路にアップダウンはあまり無く「それぞれ異なる景色を見せる庭」という印象を受けます。
ソテツの木。南国産のこの植物は当時大変珍しく、来客を驚かせること、そしてまだ庭の全体像は見せないという意図があるそうです。私としてはソテツは日本庭園には異質な印象を受けたのですが、当時の最先端を行っていたということでしょう。
ソテツ同様「目隠し」の意図を持たせたマツ。このようにして「早く庭の全体が見たい」と思わせる、来客の心まで計算されて作られていることに大変感銘を受けました。
御所透かしのサツキツツジ。サツキはいつも丸く刈り込むものだと思っていたのですが、離宮の庭園はこの手法で剪定されています。自然形を生かした手法です。
入り口にそびえ立つ穂垣。竹の穂を幾重にも連ねて作成する竹垣ですが、穂の剪定だけでなくよく見ると節も揃っており、工程を想像するだけでも気が遠くなりそうで畏怖の念を持ちます。
このような庭園の数々を、業界の高い技術や知見を持った方々から解説を頂きながら見学できたことは大変貴重な機会であったと思えます。