京都庭園研修会 2日目/かわゆう

2日目は先ず朝から滋賀県大津市の比叡山の麓の坂本という地域にある「穴太積」の石垣を見学しました。

穴太積は自然石を用いていることが特徴で、表面の裏には介石やグリ石が敷き詰められているので強度が高い上、排水性も良いのだそう。

鎖やコンクリートで固められてもいない積み上げ敷き詰められた石たちが、先人の知恵と工夫によって堅牢な壁として今もなお在り続けていることにとても感銘を受けます。

昼前には京都迎賓館を見学しました。

京都迎賓館は2005年に開館した海外からの国賓を式典や会食でもてなすための施設です。撮影禁止の地下室で手荷物検査を終え中に入ると、見られる調度品や内装は日本で最高級の技術と由緒正しい素材で作られた隅々まで抜かりのないもので、中に入ること自体が畏れ多いような空間でした。

最後に訪れた京都仙洞御所は、皇位を退かれた上皇の御所として1630年に建てられたものです。

立ち入って最初に受けた印象は「広大さ」でした。開けた景色と、大きく成長した厳格なマツの木々が私達を圧倒するかのようです。

日本庭園が池として広くたたえる水は「水鏡」と言うそうで、庭園や空を映し出します。

今回見学させて頂いた日本庭園はいずれも事前予約が必要であったりと普段は立ち入らないようなもので、見学の形式も警備の監視の下ツアー形式で園内を歩くという形でした。そのような厳重な体制からもこれらはこれから先も守っていくべき美しさと伝統が詰まった空間であったと改めて思わされます。そういった意味でも大変貴重な機会でした。

この2日間は庭園の見学だけでなく、移動時間や会食など造園連合会の方々との充実したコミュニケーションの時間でもあり、とても良くして下さりました。研修会の終わりには自分も人の心を動かせる庭を作れるようになりたいと仕事への意欲の高まりを感じました。

講師の亀田孔之先生を始めとしたご一緒された日本造園連合会岡山支部の皆様、この度参加させて下さった社長、並びに研修会の関係者の皆様にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。